日々の音色とことば

usual tones and words

書評

30年間、日本のお昼に君臨する巨大な「空洞」について――書評『タモリ論』

■タモリの虚無と孤独 『タモリ論』、樋口毅宏さんから献本いただきました。面白かった! 書名こそ『タモリ論』だけれど、この本はタモリについてだけ語った一冊ではない。「笑っていいとも!」について、ビートたけしと北野武について、明石家さんまについて…

『PLANETS vol.8』感想――未来は想像力が連れてくる

正月。久しぶりに実家に帰って、新聞を読んだ。最近ではすっかりネット中心の情報収集のスタイルになってしまったのだけれど、お正月に届く分厚い新聞をじっくり読むの、好きなんだよね。ぎっしりとチラシが挟まってるのもあるけど、重さが、まずいい。内容…

ウィキペディアにのってないロックヒストリー 書評『ダンス・ドラッグ・ロックンロール』【追記あり】

久保憲司さん著、鈴木喜之さん監修の一冊。出版社より献本いただきました。ありがとうございます。まずは目次から。第1章:ストーン・ローゼズ/プライマル・スクリーム/オアシスストーン・ローゼズは何がスゴかったのか? エクスタシーというドラッグ ローゼズ…

白石一文『翼』について

翼 (テーマ競作小説「死様」)(2011/06/18)白石一文商品詳細を見る“死様”をテーマにした、白石一文の最新作『翼』。読み終えてからしばらくの間、動悸が止まらないほどの熱量と衝撃のある一冊だった。私は小さい頃から、死は「記憶の消滅」だとずっと思ってき…

書評『キュレーションの時代』佐々木俊尚

キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書)(2011/02/09)佐々木 俊尚商品詳細を見る “そもそも私たちは、情報のノイズの海に真っ向から向き合うことはできません。”(P204より)とても興味深く、大きな刺激を受けた一冊。僕が音楽に…

書評『ネット・バカ インターネットがわたしたちの脳にしていること』

ネット・バカ インターネットがわたしたちの脳にしていること(2010/07/23)ニコラス・G・カー商品詳細を見る"本、新聞、テレビ番組、ラジオ番組、レコード、CDのなかに、知識や文化の未来はもはやない。""ウェブを検索するときわれわれは森を見ない。木さえ…

/書評『市場の倫理 統治の倫理』

市場の倫理 統治の倫理 (日経ビジネス人文庫)(2003/06)ジェイン ジェイコブズ商品詳細を見る橘玲さんのブログに書いてあった記事「リバタリアニズムとコミュニタリアニズム」「市場の倫理と統治の倫理」に触発されて、読んだ。面白かった。対話をもとにした…

『1Q84 BOOK4』は出るのだろうか

1Q84 BOOK 3(2010/04/16)村上春樹商品詳細を見る『1Q84 BOOK3』、読了。まず何より、とても面白い小説だった。エンターテイメントだった。ネタバレ承知で書くと、惹かれ合う青豆と天吾はボーイ・ミーツ・ガールの王道のストーリーを歩む。首都高3号線の三軒…

ビートたけしのオールナイトニッポン傑作選

原稿の山と格闘するうちに埋もれそうになっている日々。 関係各所にはご迷惑をおかけしております。鬱々とした気分を晴らすために、積んであった『ビートたけしのオールナイトニッポン傑作選』に手を出す。 ビートたけしのオールナイトニッポン傑作選! (本人…

橋本治『日本の行く道』と堀井憲一郎『若者殺しの時代』

日本の行く道 (集英社新書 423C) (集英社新書 423C)(2007/12/14)橋本 治商品詳細を見る若者殺しの時代 (講談社現代新書)(2006/04)堀井 憲一郎商品詳細を見る 橋本治『日本の行く道』を読む。タイトルは非常にシンプルだが、内容は「日本の行く道とは?」みた…