日々の音色とことば

usual tones and words

ビートたけしのオールナイトニッポン傑作選

原稿の山と格闘するうちに埋もれそうになっている日々。
関係各所にはご迷惑をおかけしております。

鬱々とした気分を晴らすために、積んであった『ビートたけしのオールナイトニッポン傑作選』に手を出す。


ビートたけしのオールナイトニッポン傑作選! (本人本 1)ビートたけしのオールナイトニッポン傑作選! (本人本 1)
(2008/01/29)
兵庫慎司、オフィス北野 他

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雑誌『hon-nin』に連載された「ビートたけしのオールナイトニッポン傑作選」を一冊にまとめたもの。浅草キッドの二人や当時のディレクターへのインタヴューも含まれているが、メインはラジオを語りをそのまま起こしたもの。20年以上前のラジオのテープ起こしである。僕は残念ながらリアルタイムで聴くことはできていないのだけれど、これ、聴いてたら人生変わってたかもなあ。それほどの濃くて危険な話題に満ちている。

ラジオの語りだとたけしの笑いのエッセンスが生で体験できるんだろうけれど、文字でそれを読むと「お笑い」としてよりも「事件」としてのエッジの鋭さが際立つ。どのエピソードも放送するにはギリギリ、というより完全にアウトな感じ。翻って、今は倖田來未の「羊水が腐る」発言で大騒ぎする時代である(そういえばあれもオールナイトニッポンだった)。あれがNGなら、本書に収められてるトークは全部NGだろう。

個人的には僕は90年代に思春期を過ごせたことを幸福だと思っているんだけれど、80年代を羨ましく思う数少ない「体験」の一つ。