音楽シーンの「00年代」の続き。
ブログやネット界隈を見てると、よく「最近の邦楽」とか「最近のJ-POP」という書き方を目にすることがある。そのあとには、大抵「つまらない」とか「ダメになっている」とか、否定的な言葉が続く。
そういうのを見ると、つくづく中身のない言い方だな、と思う。
もちろん、僕自身、今のJ-POPシーンをまるごと肯定しているわけではない。たしかにクオリティの低いもの、これはひどい、と思うものもある。けれど、それを「最近の〜」という言葉で一括りにしようとは、決して思わない。
考えてみれば、90年代にはまだ「最近の〜」という言葉で括れるような動きはあった。ビジュアル系しかり、ビーイング系しかり、小室系しかり。それの良し悪しは置いておいて、ひとつの音楽的なエッセンスがヒットチャートの上位を占めるようなことは少なくなかった。けれど、今の音楽シーンは、ヒットチャートすらより“島宇宙”的な空間が広がっている。CD全体の売り上げが落ちたのもあるだろうし、音楽シーン全体がよりフラットなものになっているのもあるだろう。
さしたる例も挙げずに「最近の○○はつまらない」という言及には、「面白い○○にアクセスできていないだけなんじゃない?」ということを思ってしまう。