日々の音色とことば

usual tones and words

ギターウルフ@日比谷野音

桜の花が風に舞う日比谷公園へ。

会場に着くとすでにかなりの革ジャン姿が集まっている。休日の公園ののんびりしたムードから、確実に浮いている。でもそりゃあ期待は高まるってもんだろう。セイジさんの股関節損傷治療のため約1年半近くライヴ活動を休止していたギターウルフ。その復活ライヴが今日である。さらに言うなら日比谷野音でやるのは約10年ぶりだ。

赤い絨毯のひかれたステージに3人が現れたのが開演時間を20分過ぎた頃。そこからは本当に爆音のフルスロットルだった。初っ端から「ジェット・ジェネレーション」「ミサイルミー」「フジヤマ アタック」「オールナイトでぶっとばせ!!」とライヴのハイライトになりそうな曲を連発。テンション上がる。

本編にMCタイムは一切なし。チューニングも一切なし。でもいちいちキメのポーズはある。「お前ら火星に行ったことあんのかよ!?」なんて叫んだりする。笑う。

これが他のバンドだったら、ライヴの空気の作り方にはもっと押し引きがある感じだけれど、ウルフは“押し”一辺倒。それに、冷静に音だけ聴いてたら、細かいブレイクとかで音がズレてたり、そういうポイントはたくさんある。「キックアウトザジャムス」なんていつもカオスだ。なんだろう、これがたとえばフィギュアスケートの競技みたいな減点方式で採点したもんだったらマイナスになってもおかしくない。でもロックンロールはそうじゃないんだよな。めちゃくちゃだけど、ひたすらに格好いい。理屈やロジックで説明するよりも、「これがギターウルフだから」「これがロックンロールだから」という感覚。そういうものを感じさせてくれる稀有なバンド。