日々の音色とことば

usual tones and words

久々にびっくりしたニュース。

【SMAP草なぎ逮捕】1人で全裸、「裸になって何が悪い」 (産経ニュース)http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090423/crm0904230940006-n1.htm

どうやらしばらく活動を自粛するようで。「迷惑をおかけしました」とのこと。確かにCMやレギュラー番組を調整しなけりゃならない代理店やメディア業界の人やスポンサーの方々は大変ですよね。

それにしても、「ショックだ」とか「残念だ」というより、ニュースの詳細が伝わるたびに深みのあるおかしみを感じてしまう。都会の真ん中、ミッドタウンの脇の公園で、深夜に、一人で、全裸。しかも奇声を上げていたという。すこし離れたところに服が畳まれていたらしい。

一人で全裸。もう一度書いてみた。なんだろう、この感じ。確かにおかしみもある。「全裸」という言葉には解放感もある。でも、不思議な寂寞感もある。集団で騒いでいて、その中で裸になったわけじゃない。一人である。泥酔していたのはストレスがあったのかな。あの「いい人」なイメージを保ち続けるのは精神的にキツいだろうなという気もする。でも、正直、僕はこの一件で草なぎ剛という人への好感度が上がった感じである。きっと同じような感じ方をする人も多いんじゃないだろうか。

「迷惑をおかけしました」といっても、誰かに危害を加えたとか、クスリなんかをやっていたわけでもなさそう。野外で服を脱いだだけの話で。誰が迷惑をこうむったかって考えると、それはSMAP・草なぎ剛というキャラクターで商売をする人達なわけだ。

僕は、いいと思うな。少し休んでまた戻ってきてほしい。「ぷっすま」で江頭2:50に思う存分つっこまれて欲しい。対決してほしい。

一方、筋が悪いなあと思うのがこちら。

鳩山総務相、地デジキャラ逮捕に「最低の人間だ」(Yahoo!ニュース)http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090423-00000557-san-pol

「事実であれば、めちゃくちゃな怒りを感じている。なんでそんな者をイメージキャラクターに選んだのか。恥ずかしいし、最低の人間だ。絶対許さない」と明言。

ひどいことを言うなあ。
中川(酒)騒動のときにも思ったけれど、いつの間に日本ってこんなにも“失態”に厳しい国になったんだろう。

「屁尾下郎」氏のツッコミが世の中を詰まらせる(糸井重里/NB Online)http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20071023/138300/

糸井 (中略)人ごみの中でおならをした人が、「誰か屁をしたな!」って、でかい声を出す。それをやられちゃうと、「ぼくはしてないですよ」、あるいは「お前じゃないか?」という発言しか、周りは言えなくなっちゃう。

 昔、NHKのドキュメンタリーで、文革のときの中国の紅衛兵のときの話を取り上げていました。これがもう笑っちゃうぐらいみんな、この「誰が屁をしたな!」の論理で動く。それぞれが「あいつは悪い」って告げ口しあうことで、自分だけが生き延びようとしたんです。

―― とにかく先に「あいつが悪い」と言ったやつのほうが生き延びる。

糸井 そうなんです、「俺は悪くない」と言うとその時点ですでに犯人扱いになっちゃう。ましてや、「え、あいつって本当に悪いのかい?」なんて言ったら、もうその人はおしまいなんです。

 そういうやりとりを横で見ている連中は、「結局、一番うまくやったのは誰だろう」って勉強をしちゃう。だからみんな、自分のリスクを避けるために「屁をしたろう」「屁をしたろう」と、みんなで指を差し合っているわけ。そこでうっかり「したよっ」て言ったら一発でお縄ですよね。

 でも、本当は今の世の中、大声で言ってみたい感じ。「俺は屁をするぞー!」って。

屁をするかわりに「東京の真ん中で全裸で叫んだ」草なぎ剛。僕は応援したい。