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日々の音色とことば

新刊『ヒットの崩壊』が出ました。

Fuji Rock Festival '13 2日目感想&関連動画まとめ

fujirock2012二日目


昨日に続いて、「ツイートを元にまとめたフジロックのライヴ感想と関連動画
まとめ」です。この日も雨がキツかった……。

夏木マリ 11:30〜 ORANGE COURT

この日はオレンジコートの夏木マリからゆるゆるとスタート。一番奥のステージ、しかも朝イチという時間帯にもかかわらず、かなり人が集まってる。

そうなんだよね。『カーネーション』の朝ドラ女優なイメージだったけれど、考えたら、夏木マリという人はすごく「フジロック文脈」なシンガーだった。去年にリリースされたシングル「キャデラック」は仲井戸"CHABO"麗市が作詞・作曲を手掛けたもの。この日のバックバンドも、斉藤ノヴを筆頭に全員が敏腕ミュージシャン。

ハイライトだったのは、トーキングブルースのスタイルで、ジャニス・ジョプリンに憧れ続けた10代からの半生を(「カーネーション」ネタもまじえたりしながら)歌っていったくだり。そして、還暦なのに金髪&ホットパンツ&網タイツというルックス! 「30年後の土屋アンナ」が確実にそこにいた感じ。

前野健太とソープランダーズ 12:30〜 FIELD OF HEAVEN


夏木マリから休憩を挟んで移動したので、途中から。後ろのほうでぼんやりと観てたんだけど、最後にやった「国家コーラン節」と「ファック・ミー」が特に染みた。

キーボードには石橋英子、ギターはジム・オルーク。ジムのギターもいい音。「コカ・コーラでいいですから」ってお客さんにコール&レスポンスさせたり、「PAさん、3日で最高にセクシーなリバーヴをお願いします」と言ったり。ユーモラスで肩肘張らない振る舞いと、歌の力がすごく伝わってきた。


■青葉市子 13:20〜 木道亭

観れなかった……。前野健太が終わり、ホワイト・ステージ経由で木道亭に向かうと、ボードウォークが大渋滞。少しは観れるかと思ったが、到着したときには、最後の曲がまさに終わるところだった。

ツイッターを見ていた限り今年のフジは入場規制になるステージはなかったと思うので、そうだとしたら青葉市子が実質的に今年唯一の「入場規制」アクトだったのかも。(※追記修正 この日深夜のクリスタル・パレスでのウィルコ・ジョンソンが入場規制だったみたい)

8月7日には小山田圭吾をゲストに単独ライヴもするそう。これは観たい……。

■ 金 佑龍 14:50〜 木道亭

そのまま木道亭で待機して、金 佑龍(キム・ウリョン)へ。

cutman-booche時代含めて観るのは初めてだったけど、すごい楽しかった。ジャック・ジョンソンとかフィッシュマンズの系譜のアーシーで心地いいポップ。一曲目は「音楽やめようと思ってたけど、この曲に救われました」と、フィッシュマンズの「ナイトクルージング」のカヴァー。

でも、ライヴで観ると、いわゆる関西人らしい「押しの強さ」が前に出てる感じ。最後は「長渕剛みたいに!」って拳を上げさせ、なぜか「♪贈る言葉〜」とコール&レスポンス。ようわからんけど、楽しかった。毎年木道亭でいい出会いがあるんだけど、今年は彼かな。

ただ、気付くと再びの豪雨。レインウェアも浸水して寒くなってきたので、一度ホテルに避難することに。


■ Björk 20:20〜 GREEN STAGE



(写真はこの日苗場で初めてお披露目したという「DNAバルーンドレス」。すごい。この日のライヴの模様は後日オフィシャルサイトで配信されるようなので、公開されたらリンク追記します)

98年の豊洲、2003年の苗場。過去2回観たビョークのライヴは僕の中でとても大事な記憶になっていて、今回も、そうだった。

一曲目の「コスモゴニー」から、選曲は新作『バイオフィリア』が中心。ステージの様子は映し出されない。遠目に、カラフルなつぶつぶの衣装に身を包んだビョークが、10数人のコーラス隊をバックに歌いながらステージを左右に動きまわる姿が見える。

新作『バイオフィリア』は自然科学をテーマにしたプロジェクトで、だからスクリーンに映し出される映像も「生命の神秘」や「宇宙の神秘」がテーマ。「サンダーボルト」では、ステージに巨大な物体がおりてくる。電流を音にする特別発注の楽器「シンギング・テスラコイル」だそう。幻想的なハーモニーが響き渡る。一曲終わるごとに「アリガトッ!」と言うビョークが可愛い。

この日のステージに唯一不満があるとするなら、『ヴェスパタイン』からの「エアルーム」、『デビュー』からの「ワン・デイ」という過去曲のかわりに「オール・イズ・フル・オブ・ラヴ」や「バチェラレット」や「イゾベル」あたりをやってほしかった……というくらい。

『バイオフィリア』は、ポップ・ミュージックとしては「メロディの浸透性が弱い」「小難しい」という弱点があるアルバムだったと思う。でも、ステージでそれが展開されると、ビョーク自身に「巫女」としての存在感があるせいか、それが「自然と音楽の共生」をかかげるフジロックのテーマとリンクしていたせいか、とてつもない説得力があった。

圧巻は、やっぱり終盤。「ペイガン・ポエトリー」あたりから涙腺がやばくなってたけど、「ハイパーバラッド」で崩壊。15年前、10年前と同じように、また、ぼろぼろに泣いてしまった。途中からLFOの「フリーク」がマッシュアップされて、そのままぬかるんだ土の上で踊ってた。今回は電子音も強力で、さすがマーク・ベルと思った。

アンコールは「ディクレア・インディペンデンス」。ビョークの沢山の曲の中でも一番シンプルなメッセージ性があって、過去にも中国当局を激怒させたことがある(http://shiba710.blog34.fc2.com/blog-entry-72.html)といういわくつきの曲。5年前の武道館もこの曲が最後だった。「レイズ・ユア・フラッグ!」「ハイアー! ハイアー!!」のシャウトで、どんどんテンションが高まっていく。最高潮まで上り詰めるようなライヴだった。ビョークは特別。

セットリスト

1. コスモゴニー
2. ハンター
3. サンダーボルト
4. ムーン
5. クリスタライン
6. ホロウ
7. ヒドゥン・プレイス
8. エアルーム
9. ワン・デイ
10. ペイガン・ポエトリー
11. ヨーガ
12. ペイガン・ポエトリー
13. アーミー・オブ・ミー
14. ミューチュアル・コア
15. ハイパーバラッド(LFO「フリーク」とのマッシュアップ
16. プルートゥ
17. ナットゥラ
EC1 Oskasteinar
EC2 「ディクレア・インディペンデンス」




■ 森は生きている 1:00〜 ROOKIE A GO-GO

ビョーク終わって満足感たっぷりだったので、そのまま帰ってもいいかなーと思ったけど、あとちょっとだけ。

僕は湯沢に友達と宿をとっていて、だから苗場プリンスホテルとかキャンプ組の人たちと違って、基本的には「オアシスで深夜まで飲み明かして」みたいなことは毎年やってなくて。でも、今回はこのバンドが観たかったので遅くまで残ったのだ。今いちばん気になってる、東京の6人組バンド。

良かった。じわじわ「良さ」が染みてくる感じ。あと思ってたより熱かった。一瞬ギター歯で弾いてたよ。

今日の朝イチのグリーンステージがTHE BAWDIESで、ROYが「2007年にルーキー・ア・ゴーゴーに出させてもらって……」みたいな話をしてたけど、今日観た森は生きているも数年後には大きなところでやってるかも、って思った。