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VIVA LA ROCKと、今や「失われつつある文化」かもしれないフェスの速報レポート職人としての挟持のこと

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ゴールデンウィークは5月3日から6日にかけて「VIVA LA ROCK」の4日間、フェスのオフィシャルの速報ライブレポート「FLASH REPORT」を担当していました。

 

フェスはこれで6年目。初年度からずっと書き続けています。正直、これ、体力的なところも含めてすごく大変な仕事ではあるのです。会場を駆けずり回るし、だいたいライヴが終わった15分後~20分後くらいに書き終えないと次のアクトが始まってしまうし。ただ、やり甲斐も、意義もあることだと思ってやってます。

 

とはいえ、「フェスのクイックレポートなんていらない」って声があるのもわかるのよね。というのはなぜかというと、薄っぺらいライブレポートなら、ツイッターの感想を集めてまとめたものを読んだほうが、よっぽど率直で嘘のないものなわけだし。一方で、ナタリーのように、その場にあった事実をきっちり客観的に伝えるウェブメディアもあるわけだし。

 

実際、ROCK IN JAPAN FESTIVALやCOUNTDOWN JAPANやJAPAN JAMといったロッキング・オン主催のフェスでは、初期からずっとやってきたクイックレポートに文章を載せるのをやめちゃったわけだし。「全てのアクトのフォト&セットリストを会場からお届けします」と銘打ってるし。いまやフェスのステージを観て15分後にそのライブレポートを書き上げる職人技なんて「失われつつある文化」なのかもしれない。

 

でもね。僕自身はロッキング・オンで社員だった時代からもう15年以上この仕事をしてるし、今ではなかなか忙しくなったし、おかげさまでいろんな分野の仕事も増えたけど、それなりに愛着も、職人としての誇りもあるつもり。そして「VIVA LA ROCK」の主催側、鹿野さんと『MUSICA』の有泉さんに対しても、この「FLASH REPORT」が、フェスがメディアとして機能するための一翼を担うと考えて、自分にオファーしてくれるんだろうという勝手な気持ちもある。

 

だからこそ、できるだけ表面だけをなぞるようなレポートじゃなく、オフィシャルサイトに掲載される文章であるがゆえに果たさねばならない「そのフェスの物語の中での位置づけ」としての役割と、署名付きの原稿として書くものであるがゆえの「自分が何を感じて何を受け取ったか」という主観を、限られた時間の中で可能な限り形にするようにしています。

 

そして、ビバラのフェスのレポートは、とりあえずフェスが続くかぎりアーカイブされるという信頼を運営サイドに抱いてるし、実は書いてるライター陣もずっと同じ面々なので、「速報」が積み重なることで「歴史」になると思ってやってます。

 

ベンジャミン・ブラッドリーの言う「ニュースは歴史の最初の草稿である」というジャーナリズム精神を、そこまで大それたことじゃないかもしれないけれど、でも心のどこかに挟持としてちゃんと持って、ステージに立つアーティストたちと向き合ってるつもりです。

 

というわけで、4日間で書いた原稿のいくつかの抜粋を。