日々の音色とことば

usual tones and words

パンドラの箱の底にあるもの

先日書いた話にリアクションをいただきました。ありがとうございます。

聴きたい音楽に辿り着くための効率的な方法 /area[nothing] : diary
http://nothing.sh/blog/archives/64

確かにこのpandoraというサービス、すごく面白そう。アメリカ国内でしか使用できないというのは、とても残念。最初に自分のお気に入りのアーティストや曲を登録し、流れてくる音楽を「好き」「嫌い」で評価していくうちに、自分の好みのツボをついた音楽を選曲して流すようになってくれるという、ストリーミングのネット・ラジオだ。このモデルは僕が先日書いた“広大な玉石混合の砂漠の中からリスナーが聴きたい音楽に辿り着くための最適化されたサービス”というイメージに、とても近い。

ネットラジオサービスのPandora、「音楽の発見」を支援してファンが急増:スペシャルレポート - CNET Japan


という記事によると、ユーザーだけでなく、ハリウッドの映画音楽への起用やコンサートの興行主が前座を決める際にも使われているらしい。もしこれが日本をはじめ世界的なレベルで本格的に普及すると、状況はかなり面白いことになりそうだ。そうなったときにメディアのビジネスモデルはおそらく瓦解しているだろうという意味で個人的な不安は沢山あるけれど、それ以前にイチ音楽好きとしてワクワクする面は大きい。

老舗の音楽雑誌の記事よりもこういうソーシャル・サービスのほうが有効に機能するような時代になったときに、果たして“評論家”はその状況の中でどういう役割を果たすことができるのだろうか? それはこれから長く考えていくべきテーマだと思っている。