日々の音色とことば

usual tones and words

「おもしろければなんでもあり」について

先日書いたPerfumeの話に言及をいただきました。

文脈にこだわらない日本、そして Perfume - 天翔ける馬のしっぽ
http://d.hatena.ne.jp/yukky2001/20080417/p2

まず、ここで紹介されている元メガデスのギタリスト=マーティ・フリードマンによるJ-POP解釈が、なかなか面白い。

「日本の底力は『おもしろければなんでもあり』にあり」:NBonline(日経ビジネス オンライン)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/person/20080416/153213/?P=1

どんなミュージシャンも、100%、誰かの影響を受けてるから、パクリとかそんなことは考えない方がいいんですよ。「その音楽が好きだから。好き」。誰かがパクったとか、パクリ=悪とか、もったいないよね、その考え方。

こう語るマーティは、ミュージシャン/クリエイターとしてすごく真っ当な考え方の持ち主だと思う。勿論オリジナリティは大事なことだけれど、「○○に音の雰囲気が似てる」くらいのことをパクリとして断罪するような風潮には、“もったいない”という感覚が一番しっくりくる。「パクリとかそんなことは考えないほうがいいんですよ」――というより、そこはむしろ楽しむべきポイントなのにな、という感じ。その人が自分の受けた影響をどういうフィルターを通して料理したのか、もしくはどうスタイルを踏襲したのか、という。

で、その上で

日本では、ジャンル関係なしに好きだったらパクる(笑)。ほかのジャンルからパクっちゃダメ、みたいなルールがないから、結果的にはすごく冒険的に、面白いものが生まれてくる。たぶん失敗作も出るかもしれないけど、冒険する時って、そういうものでしょ。
 おかげで、メチャメチャ面白い、オリジナルな融合が生まれてくる。だから、日本でジャンル分けが強くないのは、とってもいいことだと思います。

という指摘も、なるほどな、と思う。特に00年代になって登場してきた新世代のアーティスト達にそういうことを感じることが多い。

元記事にある

日本人は歴史的文脈を無視してモノの良さだけ取り入れようという傾向が強く、結果としてジャンル横断的なモノ(折衷的とも言える)が生まれやすいということのようだ。

という感性は、Perfume/中田ヤスタカだけでなく、たとえば9mm Parabellum Balleやマキシマム ザ ホルモンなどのようなロック・バンドに対しても感じる。

そして、そういう感性が様々なところで評価されている今の日本の音楽カルチャーは、とても風通しがいい状態だな、と思う。