KINO VOL.7 (7) (2008/06) 京都精華大学情報館 商品詳細を見る |
発行はちょっと前になりますが、京都産業大学情報館から刊行されている雑誌『KINO vol.7』にマンガレヴューを書きました。
「21世紀のマンガ・ベスト60」という企画に、
『もやしもん』『働きマン』『シグルイ』『デトロイト・メテル・シテイ』『鋼の錬金術師』『おおきく振りかぶって』の6本のレヴューを書いております。縁あってvol.1から原稿を書かせてもらってますが、今回は特に刺激的な内容でした。
KINO Vol.7 | 21世紀のマンガ コミック雑誌の消滅する日
http://kinobook.jp/07/index.html
特集のタイトルは、「21世紀のマンガ――コミック雑誌の消滅する日」。
部数減のとまらないコミック雑誌、市場規模が縮小を続けるマンガ産業に正面から切り込んでいる。もちろん、部数減や雑誌の休刊は出版に携わる人以外にも周知のことだろう。けれど、問いは「じゃあどうするか?」。
竹熊健太郎氏がブログに書いている「マンガ界の崩壊を止めるためには」というテーマともリンクする話で、実際、同氏と『マンガ産業論』の中野晴行氏の対談も収録されている。
たけくまメモ : マンガ界崩壊を止めるためには(4)
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_1ff3.html
中野 (前略)これからは間に立つエージェントとか権利関係を見る人間が絶対に必要になってくるんです。
竹熊 僕も、これからはマンガのプロデューサーがすごく重要になってくると思っている。今、現実にフリーのプロデューサーが出てきてるよね。長崎尚志さんとか樹林伸さんとか。こういった人たちがどんどん出てくれば、必ずこの業界も変わってくるはず。
だから、僕は出版界の人たちに言いたいのね、変化を怖がるなと。これはむしろチャンスなんじゃないかと。コミック雑誌が衰退しても、どんな時代になっても要は編集だと。ケータイとか、ネットコンテンツとか、いろいろ出てきてもマンガのノウハウは必ず生かせると
両氏は紙からデジタルへの流れを必然として語る。そして、その言葉は後半のケータイコミック特集へと繋がっていく。配信作品数日本一を誇る『ケータイ★マンガ王国』を運営する株式会社ビービーエムエフ代表取締役・谷口氏をはじめ、各配信会社へのインタヴュー、そして実際に作者側として配信作品を手掛ける六田登氏へのインタヴューが並ぶ。
CDの売り上げが減る一方で着うたの配信ダウンロード数が増えているのとちょうど同じように、雑誌の売り上げ減と同時にコミックサイトのダウンロード数が増えているという。確かに、紙からネット/ケータイへと、メディアの主役交代の波はもう引き返せないところまで訪れている。
そこで、何をするか。僕自身、そこにはすごく考えさせられることが多い。