日々の音色とことば

usual tones and words

バラク・オバマとwill.i.am

いよいよ、バラク・オバマ第44代アメリカ合衆国大統領の就任式が行われる。

11月の勝利演説を訳したサイトを見つけ、改めて読み直す。訳自体はちょっとラノベ風なもってまわった描写なんだけれど、本当に、凄まじい熱狂だったんだろうなあと思う。

オバマ勝利演説081104の日本語訳……というか新城カズマ語訳http://d.hatena.ne.jp/sinjowkazma/20090114/1231943939

そして、will.i.amが手がけたオバマの応援ソングを改めて、聴く。掛け値なしに、とてもいい曲。ちょっと涙ぐんでしまうくらいの力を持った音楽。


「オバマ! オバマ!」という連呼にシニシズム的なものを感じる人はいるかもしれない。でも、これを作ったのがwill.i.amだというのが、掛け値なしの説得力を与えている。彼自身アフリカン・アメリカンであり、彼が率いるブラック・アイド・ピーズは、フィリピーノ、ヒスパニック、アングロサクソンなどさまざまな血が入り混じったグループ。

ビデオはオバマ陣営へのコンタクトなしにwill.i.am自身がさまざまなミュージシャンや著名人に声をかけて作ったのだという。9.11同時テロからイラク戦争に突き進んでいた03年のアメリカに「Where is the Love?」という名曲を突きつけた彼にとっては、バラク・オバマのメッセージはそのまま自分自身の感情と信条を重ねられるものだったんだろうと思う。

アメリカという国を、久しぶりに羨ましく思う。この熱狂の渦中にいることができたならどんなに高揚しただろうか。悲観やあきらめやニヒリスティックなふるまいでなく、「希望を信じる」なんて真っ直ぐで青臭い言葉を恥ずかしがらずに言える瞬間。それがロックみたいなエンタテインメントの中ではなく、リアルな政治の世界で起こっているわけである。興奮しないわけがない。

ひるがえって自分の暮らしている国を見てみる。ほど遠いなあ。