日々の音色とことば

usual tones and words

KREVA「意味深3」@日本武道館

ずいぶん久しぶりだし、もうだいぶ間があいちゃったけれど、書いておこう。

先週にあったKREVAの武道館「意味深3」ライブ。よかったなあ。感慨深かった。仁王立ちの登場からアカペラの「希望の光」、「かも」「ストロングスタイル」「成功」と息をつかせない初っ端15分のアゲっぷりもすごかったけれど、終わってから振り返ると「エンターテイナーとしての完璧さ」をそこで見せきって、あとは「意味深」というライブコンセプトの「今までやってなかったことをやる」というところに焦点を絞ったんだなと思う。

中盤のDJソフトを使っての「J-POPをヒップホップにする」セッション、小室哲哉が完全に「単なるバックバンドの一人」だった後半のバンドセットのライブもすごかった。それと、個人的にはすごく好きな曲の一つである「I REP」をやってくれたのが、嬉しかったな。


気がつけば

あいつもあいつもあいつもあいつも

あいつもあいつもいなくなって

あいつもあいつもみなくなって

こっちはいつもいっつもやってる

いつも流行ってる いつもかわんねぇ

スタイル崩さず まだ戦ってる

わかってるフリして たいした事ない奴らとしっかり相対してる


なんだか形にできないけれど感じざるを得ない「時代の流れ」に翻弄されて心が削られるようになっている毎日。こういう「続けてきた」人にしか書けない言葉の乗った熱い音楽を聴くと、すごく力になる。ドラゴンアッシュの「ROCK BAND」を聴いたときにもそう強く感じたな。あ、でもこの曲についてはまた別の記事で書こう。とにかく、音楽は糧になる。ほんと、30も半ばになって、こういう真っ直ぐで青臭いことを考えたり書いたりするのってなんだかなあって思うけど、そう思うのでいいや。

そうそう。KREVAについては8月末に発売された『PAPYRUS』の表紙巻頭でロングインタビューを書きました。


papyrus (パピルス) 2010年 10月号 [雑誌]papyrus (パピルス) 2010年 10月号 [雑誌]
(2010/08/28)
不明

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なぜKREVAが常に新しいことにチャレンジをし続けるのか、そしてKREVAが新作『OASYS』でテーマにした「閉塞感」について、深く訊いた取材。

自分自身、隙あらばケータイをチェックしてる。そうやって自分でなかば無意識のうちに取りに行った情報に塞がれて視野が狭くなって、かえって閉塞感が強くなってるんじゃないかと思います。

今回は、そういう閉塞感だったり、情報が溢れている社会で感じてることを歌いたい、そこに踏み込んでいきたいというテーマがありました。

俺は本当に、この閉塞感を突破したいと思ってるんです。そのきっかけになればいいと思ってる。出すところと出し方さえ間違えなければ、その熱い気持ちは伝わると思うから。それはしっかりやっていきたいですね。


僕自身が今年になってからずっと感じている「情報の消費スピードがものすごく速くなり、一つ一つの情報が薄いものになっている」という思いと、すごくリンクしたインタビューだった。2010年に書いた原稿の中でも、すごく大事なものになる気がしている。