日々の音色とことば

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2021年の10曲(国内編)

すっかり年末になっちゃいました。すっかり慌ただしい年の瀬。個人的には「年間ベスト」みたいなことはあまりやりたくない性分なのですが、自分の記憶を記録に定着させるという意味でも、今年聴いてハッとした曲を書きとめておこうと思います。

STUTS & 松たか子 with 3exes 「Presence Remix feat. T-Pablow, Daichi Yamamoto, NENE, BIM, KID FRESINO」


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まずは『大豆田とわ子と三人の元夫』主題歌のこの曲。2021年を振り返ってもダントツのドラマタイアップだと思います。ラップ・ミュージックとJ-POPをこういう回路で接続できるんだという発見もあった。シリーズたくさんあるので、1曲選ぶなら全員集合のこのバージョンを。STUTSのインタビューやりましたので下記に。

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millennium parade × Belleの映画『竜とそばかすの姫』劇中歌。メインテーマの「U」よりも、こちらの「歌よ」のほうが中村佳穂という人の思想が入っていて好きです。映画も観ましたが、これ、正直、最後まで中村佳穂がキャスティングに決まってなかったと聞いて唖然としました。どうやってあれを成り立たせようとしていたのかと。インタビューは以下。

 

A_o「BLUE SOULS」


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ROTH BART BARON三船雅也とアイナ・ジ・エンドのユニットによるポカリスエットCMソング。これもCMタイアップということでは2021年のダントツ。僕としては、こういう予算が大きく動くCMという場所で、ちゃんとアーティストのクリエイティブをプラスに引き出していくようなプロジェクトが動いているというのは、とてもよいなと思う。ROTH BART BARONの『無限のHAKU』もよかった。これも取材やりました。

 

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宝鐘マリン「Unison」(produced by Yunomi)

 


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VTuberとしての宝鐘マリンのことは殆ど知らなかったんだけど、この曲はすごかった。ビートもかなりエキセントリックだし、何よりサビで一気にドライになるボーカルの処理がビビッド。電音部周辺もおもしろい曲たくさんありました。

 

TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA「会いたいね。゚(゚´ω`゚)゚。 feat.長谷川白紙」


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スカパラと長谷川白紙のコラボというのは全然予想してなかったな。最初に聞いたときには腰が抜けたけど、なんだか繰り返し聴きたくなるエモーションもあって、ピュアにいい曲だなあと思う。「たとえいなくなったとしても音楽の中でもう一度会える」というモチーフも。2021年はSOPHIEが亡くなってしまった年だったけれど、音楽におけるクィアネスはいろんな人によってアップデートされていくような希望もあった。

HIROBA「透明稼業 (feat. 最果タヒ, 崎山蒼志 & 長谷川白紙)」


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水野良樹による「HIROBA」というプロジェクトの1曲。「OTOGIBANASHI」という、作家と歌い手と作曲家がコラボして小説と詩と歌を生み出すというアルバムがリリースされて、その中に収録された曲。クレジットは「作詞:最果タヒ 唄:崎山蒼志 編曲:長谷川白紙 作曲:水野良樹」。この結びつき自体がスペシャルだし、最果タヒの言葉のセンスと崎山蒼志の声質もすごく合うように思う。長谷川白紙のサウンドプロデュースもさすが。

Kabanagu + 諭吉佳作/men「すなばピクニック」


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諭吉佳作/menの『からだポータブル』『放るアソート』もすごくよかった。個人的には書き下ろしのほうの『からだポータブル』よりもコラボの『放るアソート』のほうが好き。なかでもKabanaguとのコラボのこの曲はリズムとメロディの関係性が何度聴いても斬新で心地いい。Kabanagu『泳ぐ真似』もとてもよかった。

Kitri「パルテノン銀座通り」


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これ、カバー曲なんですよ。原曲はたまの1997年に発表されたアルバム『パルテノン銀座通り』の表題曲。これをピアノ2台で歌おうという発想、どこから生まれたんだろう。歌詞がとてもいい。

THE SPELLBOUND「なにもかも」


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これも歌詞がとてもよかった。THE SPELLBOUNDというユニットが始まってから何故この曲がブレイクスルーになったのか、中野さんと小林さんに話を聞いて納得した。

natalie.mu


Tempalay「あびばのんのん」


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Tempalayは『ゴーストアルバム』もとてもよかったけど、曲で選ぶならば「あびばのんのん」だな。ドラマ『サ道』主題歌。「ととのう」という言葉が広まってからの日本におけるサウナブームは、変性意識状態を楽しむという意味で、ある種の合法ドラッグ的なものと通じ合うようなものだと思っていて。だからこそサイケデリックな音楽がぴったり合うわけで、そこの勝負で無類の強さ。AAAMYYYのソロアルバムもよかった。

Vaundy「踊り子」


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Vaundyは「花占い」とか「Tokimeki」とか2021年いろんな曲を出してきたけど、この「踊り子」がダントツ。これサウンドメイキングもすごく新しくて、ちゃんとしたスピーカーとかヘッドホンで聴くとベースが妙に大きくて声が奥のほうでぐぐもっているようなミックスになってる。8ビートのドラムの小気味よい感じも新鮮。あまり前例のない仕上がりなんだけど、聴くと心地よくてハマってしまう。発明だと思う。