日々の音色とことば

usual tones and words

赤坂BLITZとJCB HALLのオープンが象徴すること

赤坂BLITZの復活こけら落とし、KREVAの「ベスト of 赤坂」公演に行ってきました。久しぶりに行った赤坂はガラッと違う街になっていて、すごく驚いた。写真、撮ればよかったなあ。

肝心のKREVAのライヴも、こけら落としにふさわしく、えらく盛り上がった、内容たっぷりのライヴでした。ただ、4月20日に発売されるロッキング・オンJAPAN誌にライヴレヴューを書く予定なので、ここでは詳しい内容は書きません。ここで書こうと思っているのは、別のこと。

調べてみて気付いたけれど、赤坂BLITZと、水道橋のドームシティにあるJCB HALLって、全く同じ3月20日にオープンしてたのだった。こちらのこけら落とし公演はTOTOとボズ・スキャッグスの共演で、続いて“日本人アーティスト”“単独ライヴ”のこけら落としとして、YUKIが登場。YUKIのライヴは友人のライター・上野三樹さんのブログでも触れられてました。赤坂BLITZは数々のいいライヴを観させてもらった場所なので素直に嬉しいけど、JCB HALLもなかなかよさそうな場所で、行くのが楽しみ。

水道橋ユキ2008(1日目)――歌うカプチーノと夢子の城
http://utkp.jugem.jp/?eid=112

それにしても。

赤坂BLITZの周囲には赤坂ACTシアターがあり、ショップやダイニングも併設した複合施設「赤坂Sacas」がオープン。JCB HALLはライヴだけでなくミュージカルやサーカスにも対応した多目的ホールで、周囲にはダイニングやガーデンなどを配した複合施設「Meets Port」がある。そしてもちろん、赤坂BLITZはTBSで、東京ドームシティは日テレ。ほんと、わかりやす過ぎるくらいのライバル関係だなあ、とは思う。

ただ、テレビ局がどうのこうのをおいておいても、一つ言えるのは、東京で1000〜3000人くらいのキャパのライヴハウスが確実に足りなくなってきていたんだろう、ということ。僕は現場の人間ではないので詳しい事情は分からないが、ここ数年で、ライヴの動員があがってきたアーティストは数え切れないほどいる。ユース・カルチャーにしても、エルダー層にしても、音楽シーンにおけるライヴの位置付けと意味合いがますます大きくなってきていることを、ひしひしと感じる。需要があれば供給があるものなので、今回の二つのハコのオープンは、一つの時代の必然なのだという気がする。

そして、音楽におけるライヴ=“生であること”の重要性の高まりは、たとえば初音ミクに象徴されるようなネットカルチャーの隆盛と背中合わせの現象だとも思う。歌声すらプログラミングで構築でき、匿名のまま誰もが発信者になれる時代。だからこそ、自分の全身全霊をかけてステージに立ち、渾身のパフォーマンスをすることのできる人の価値が必然的に高まるのだ。

自覚的なアーティストは、もうそのことに気がついている。