日々の音色とことば

usual tones and words

中川昭一元財務省、死去

中川昭一元財務相が死亡=自宅ベッドで、妻が発見−病死の可能性、東京・世田谷

ポロシャツと短パン姿で、体が冷たくなっており、布団は掛かっていなかった。自殺をうかがわせる形跡はないという。
 吐血はしていないが、ベッドには吐しゃ物が残され、室内の机の上には薬があり、医師が処方したとみられる。遺体の状況などからアルコール類を飲んだ疑いもあり、同署などは関連を調べる。
 家族の話では、最近は「眠れない」と話しており、病院に通い、睡眠薬を飲んでいた。

僕が自分のブログに、「中川昭一という人とその周囲について」とというエントリを書いたのが、今年の2月のこと。そこから半年とちょっとしか経っていない。バッシングは続き、選挙の逆風があり、落選し、相当のストレスはあったのだろう。そして死に至る。なんというか、とても痛切な話だなあと思う。

システムの側に立って、「正しい」立場に自らを置いて責めたてる側の「残忍さ」が省みられる気配は、どこにもない。

と、僕はあのときに書いた。その時に思ったことは、今でも変わっていない。基本的にメディアは、自らを「正しい」立場において言葉を発する。あるときは失敗を刺々しく責めたてる。もちろん、その理由はとてもわかる。「もしかしたら自分は間違っているかもしれない」と思いながら発せられる言葉は、喧騒の中では埋もれてしまう。

政治家としての資質は僕は判断できる立場にない。それでもなんだか気になる人だった。それが、こちらの記事をきっかけにして知った、中川昭一氏の公式サイトの2年前の日記。

中川昭一公式サイト > 最近のMyニュース > ハッとする絵を見てきました(10月12日))http://www.nakagawa-shoichi.jp/mynews/detail/20071015_242.html

たくさんの名画を見ながら、「ふーん」程度で見進んでいったが、一枚の絵の前でハッとしてしばらく見続けた。
5枚のコピーとギャラリーの解説本を買い、家に貼ったが、家族全員に「気持ち悪い」と言われた。確かに夜中トイレに行くのに、電気をつけてギョッとしたこともあった。(決して変態な絵ではない)
解説本には「イギリスの歴史を描いた作品だが、芸術性は低い」とあった。
Lady Janeという絵だが、ハッとした理由は省略。

ladyjanegrey.jpg

Paul Delaroche 『The Execution of Lady Jane Grey』

おそらくこれだろう。今となっては、なにか不吉な暗示めいたものすら感じてしまう。29歳のときに同じく代議士であった父親を自殺により亡くしている人でもある。いろいろな話を伝えきくに、とても繊細な人だったんだろうと思う。

冥福をお祈りします。