日々の音色とことば

usual tones and words

今年もありがとうございました/2016年の総括

例年通り、紅白歌合戦を見ながら書いてます。

 

今年もいろいろあった一年でした。個人的には、講談社現代新書から『ヒットの崩壊』という新刊を出せたことが、何より大きかったです。

 

ヒットの崩壊 (講談社現代新書)

ヒットの崩壊 (講談社現代新書)

 

 

『初音ミクはなぜ世界を変えたのか』に続いて2冊目の単著なのですが、一つの代表作になるようなものを書こうと思って取り組みました。おかげさまで反響は大きくありがたいかぎり。

 

おかげさまで、この本が刊行されたタイミングで様々な媒体でインタビューや対談に取り上げていただきました。ラジオ出演も、ひとつひとつ嬉しかったです。

 

www.musicman-net.com

 

www.billboard-japan.com

 

realsound.jp

 

blogos.com

 

blogos.com

 

spincoaster.com

 

いろんな人と話していても、今年は音楽シーンが「面白かった」という声を沢山聞いた一年でした。00年代後半あたりにあった閉塞感とは明らかにムードが変わっていた。

 

僕としては2010年代に入って明らかに時代の変化が訪れていたので、そのことをちゃんと記すことができたのはよかったと思います。

 

 ■2016年の年間ベストについて

 

2016年の年間ベストについては、『ミュージック・マガジン』に寄稿しました。

そちらで選んだのがこの10枚。

 

ミュージックマガジン 2017年 01 月号

ミュージックマガジン 2017年 01 月号

 

 

  • ブンブンサテライツ『LAY YOUR HANDS ON ME』
  • 宇多田ヒカル『Fantome』
  • フランク・オーシャン『blonde』
  • ボン・イヴェール『22, A Million』
  • フランシス・アンド・ザ・ライツ『Farewell, Starlite!』
  • Chance the Rapper『Coloring Book』
  • BABYMETAL『METAL RESISTANCE』
  • アノーニ『Hopelessness』
  • サニーデイ・サービス『DANCE TO YOU』
  • ぼくのりりっくのぼうよみ『Hollow World』

ミュージック・マガジンのレギュレーションでは2015年12月にリリースされた作品が含まれるのでぼくのりりっくのぼうよみ『Hollow World』が入っているのですが、2016年にリリースされたアルバムから選出するならば、そのかわりにビヨンセ「Lemonade」が入ると思います。

 

そして『MUSICA』には国内アーティストのベスト10を、リアルサウンドには海外アーティストのベスト10を寄稿しました。

 

MUSICA(ムジカ) 2017年 01 月号 [雑誌]

MUSICA(ムジカ) 2017年 01 月号 [雑誌]

 

 

そちらで選んだのが、それぞれこの並びです。

 

  1.  ブンブンサテライツ『LAY YOUR HANDS ON ME』
  2.  宇多田ヒカル『Fantome』
  3.  BABYMETAL『METAL RESISTANCE』
  4.  サニーデイ・サービス『DANCE TO YOU』
  5.  星野源『恋』
  6.  欅坂46『サイレントマジョリティー』
  7.  RADWIMPS『人間開花』
  8.  コトリンゴ『この世界の片隅に オリジナル・サウンドトラック』
  9.  蓮沼執太『Melodies』
  10.  yahyel『FRESH AND BLOOD』

realsound.jp

 

1.Francis and the lights『Farewell,starlight!』

2.Porter Robinson & Madeon『Shelter』

3.Frank Ocean『Blonde』

4.Bon Iver『22, A Million』

5.Chance the Rapper『Coloring Book』

6.ANOHNI『Hopelessness』

7.Japanese Wallpaper『Japanese Wallpaper』

8.Beyonce『Lemonade』

9.David Bowie『★』

10.The Japanese House『Swim Against the Tide』

 

■2017年に向けて

これは、来年というより、もう少し長いスパンでの話かな。

上のspincoasterの野島さんとの対談でも語っていることなんだけれど、おそらくこの先の世界は、長い目で見れば分散型の社会になっていくと思うんです。インターネットの普及は、「情報の流通」という力をマスメディア的な中央集権モデルからP2P的なモデルに移行させてきた。そしてSNSの普及は、「影響力」という力を個人に分散させていく。その流れで、次は「信用の付与」が分散していくタームに入るのだと思う。

そのことを踏まえて、これはずっと思っていることなんだけど、どんどん「裏で舌を出す」ような生き方が通用しなくなっていくのを目の当たりにしている。だからこそ。

 

来年も、正直に、足元を見失わないように、やっていこうと思ってます。

 

当たり前のことだけど。