火を放つようなステージだった。
つい先月に代官山UNITでのライヴを観たばかりなのに、キャパ2000人を超えるSTUDIO COASTが満員状態。フロアからは汗が湯気となって立ち上っている。今、いかに凛として時雨というバンドが求められているのか。それは、充満している熱気を体感すれば一目瞭然だった。
切り裂くようなギターリフと突進するドラム、ツイン・ヴォーカルの高音シャウトと、凛として時雨の鳴らす音には鋭角的な要素が満ちている。CDだけ聴くとまるで突き放されるかのような感覚を覚えたりもする。しかし、ライヴで観るとその印象は逆転する。ステージとフロアの間には強い連帯感がある。バンドとオーディエンスが、2時間のライヴの間に共に極限状態にまで達しようというような感覚がある。特に“nakano kill you”からの後半はすごかった。この連帯感は、彼らのメロディが持つ“強さ”のせいだろうか。それとも、ピエール中野の卑猥な(笑)MCも一役買っているのかな。
来月には9mm Parabellum Bulletとの対バン・ツアー、夏にはフジ・ロックやライジング・サンなどフェスへの出演、そして秋にはまた全国ツアーがある。たぶんこの先数ヶ月のうちに、今以上の手のつけられない勢いを持つバンドになっていく気がする。