日々の音色とことば

usual tones and words

民主党政権への最初の落胆

首相会見の出席枠拡大 民主党が記者クラブに申し入れ(J-CASTニュース)

新聞が書かない民主党の「公約破り」(山口一臣の「ダメだめ編集長日記」)

歴代民主党代表が約束してきた「政府会見を記者クラブ以外のメディアにも開放する」という方針が一部メディアの圧力と党内守旧派によって握りつぶされたという事実である。数時間後に行われるであろう新内閣発足の記者会見も閣僚の会見も、「民主党革命」といえる今回の政権交代を象徴するかのように、本来はすべてのメディアに対して開放されるはずだった。それが直前に撤回され、従来どおり官邸記者クラブである内閣記者会に対してのみ、行われることになりそうなのだ。

総選挙の日の更新で、「政治のディスクロージャーとガバナンスが回復するというのなら、それは歓迎すべき方向性だと思う。」と僕は書いた。いろんな人がいろんな思いや考えを今回の政権交代に重ねていると思うが、僕が期待していた最大のポイントはそこだった。「情報公開=ディスクロージャー」によってオープンとフェアネスが担保されるならば、必然としてチェック機能が働くようになっていく。

ちょっと大袈裟な話になるかもしれないけれど、人々の意識の中に「オープンになること」が基本的なマインドとしてセットされる世の中になるならば、もう少しみんな生きやすくなるのになあ、と思ったりしている。勿論それにあたっては数々の困難もあるだろうし、特に今まで情報をコントロールすることによって既得権益を得てきた人や集団(=記者クラブ)は、大きな反発を示すだろう。けれど、他者を縛るために用意した鎖は、いつのまにか自分自身を縛っていく。そんな気がしている。

だからこのニュースは、正直、僕にとっては大きな落胆だった。まだ正式に内閣が発足してない段階の話であるから、これから変わっていくことを期待したい。