日々の音色とことば

usual tones and words

2021年1月に聴いてよかったアルバム&EP

 

2021年に入って、もう1ヶ月。はやいですね。いろんなことが飛ぶように過ぎ去っていってしまうので、これはよかったなーと思うアルバムやEPを記録していこうと思います。

 

■Arlo Parks『Collapsed in Sunbeams』

サウス・ロンドン出身のシンガーソングライターによるデビューアルバム。いやー、これは素晴らしいです。たった数年前に音楽制作を始めたそうだけれど、ほんとに成熟してる。ネオソウルとR&Bと、あとはレディオヘッドやポーティスヘッドあたりのオルタナティヴ・ミュージックの、いろんな要素が流れ込んで、独特の詩情に結実してる。

■Rhye 「Home」

こういう、ピンと研ぎ澄まされていて美しい音楽、大好きです。デビュー当初はシャーデーにも比較されたライの4作目。「Intro」のアカペラでため息がでる。アナログシンセとリズムマシンを駆使してレトロ・ディスコな音像を作っていて、ストリングスの音の使い方も含めて、すごく徹底している感じ。

 

■Julia Shortreed『Violet Sun』

Julia Shortreedの1stアルバム。気だるくて、メランコリックで、耽溺できるテイストがあって、とても好き。

カナダと日本をルーツに持ち、アシッドフォークやアンビエントを追求してきたシンガーソングライター。小林うてな、ermhoiと結成したBlack Boboiのメンバーでもある。ということで、改めてBlack Boboiすごいなと思う。

■KID FRESINO『20,Stop it.』

2年振りのアルバム。僕が観たのはフジロックのステージだったけど、石若駿とか小林うてなとかとのバンド編成でどんどん音楽性が豊かになっていった近年の歩みを経た作品で、カネコアヤノとか長谷川白紙とのコラボもあってめちゃ充実してる一枚。”Rondo”が一番好き。

 

■YOASOBI「THE BOOK」


YOASOBIについて語るとき、どうしても企画やマーケティングも含めた「プロダクトの優秀さ」について先に言っちゃいがちなんだけど、音楽としても非常に練られていて、Ayaseのクリエイティビティはほんとに特筆すべきものだと思います。代表曲になった「夜に駆ける」よりも、「群青」に顕著。さらに新曲の「怪物」にも出ていて、シンプルに言うと、カウンターメロディの主張の強さがYOASOBIの、というよりAyaseのシグネチャーになっている。BOYS NOISEあたりを思い出しました。


■ヨルシカ『創作』

特設サイト掲載のオフィシャルインタビュー担当しました。

ヨルシカ - EP『創作』特設サイト
2021年1月27日発売!大成建設のTVCMソング「春泥棒」、映画『泣きたい私は猫をかぶる』エンドソング「嘘月」、TBS系
sp.universal-music.co.jp
そこでn-bunaさんとsuisさんが語ってることがすべてなんだけど、『盗作』と『創作』のコンセプトも、いろんなところに散りばめられている引用も、そしてsuisさんのちょっと怖いくらいの歌の表現力も、脱帽だと思います。

「春泥棒」のMV、桜の向こうに花火が打ち上がるところがとても美しい。


■崎山蒼志『find fuse in youth』

メジャー1stアルバム。かなりトリッキーな構成で、過去曲をバンド編成でリアレンジした「Samidare」「Heaven」「Undulation」が収録される一方で「waterfall in me」や「目を閉じて、失せるから。」「Repeat」は自身で打ち込んだ過剰なエレクトロニックミュージック。僕は後者が断然好み。

 

■quoree『鉛色の街』

https://open.spotify.com/user/shiba710/folder/ecb78f3396af936a

quoree名義での初のEPをマルチネからリリース。こちらも僕の中では「過剰なエレクトロニックミュージック」という括りで、わりと崎山蒼志に近い感じがするんだよなあ。ボーカロイドの声を基調にしているんだけど、いわゆる「ボカロっぽい」曲作りというよりは、エクスペリメンタルなところがいい。3曲めの「動物」のヴォイスシンセがよい。

その他、いろいろセレクトした曲は以下のプレイリストに入っています。