例年通り、紅白歌合戦を観ながら書いています。
社会全体が大きな転機を迎えた2020年に続いて、2021年も、ずいぶんと不透明な1年だったように思います。なんにせよ無事に年末を迎えられてよかった。
2021年はどんな年だったか。KAI-YOUに寄稿したコラムにも書きました。
上記にも書いたんですが、コロナ禍によってハッキリと前景化したのが、価値観の“分極化”だったと思います。
2020年のパンデミック初期は出口の見えない混沌を世界中の人たちが共有していた。けれど、変異株による波がたびたび訪れつつ、一方でワクチンや治療薬の開発も進み、確実にポスト・パンデミックに向かいつつあるわけで。それを経て、社会の価値基準、規範のあり方がバラバラに分かれてきているように感じる。
情報過多が進む一方で「忘却」のスピードが早くなってきたということも感じる。たしかに、政治の不作為も、東京五輪を巡るゴタゴタの数々も、思い出したくないことばかり。でも、それを差し置いても、半年前のことが、あっという間に過去になっていくような感覚もあった。
そんな中で、僕個人としては久しぶりの単著として『平成のヒット曲』を上梓できたというのが何より大きかったです。かなり長い時間をかけて執筆を続けてきたので、肩の荷が下りた感覚が大きかった。
ただ、こういう本を書いておいてなんだけど、自分のテーマとしては「ノスタルジーに絡め取られるな」ということに強く意識的であろうと思う。40代を半ば過ぎて、懐かしいものが増えてきて、それに触れたときの心地よさもわかっていて。でも、それにひたるのは怠惰だなあとも思う。やっぱり、今が一番おもしろい。
いろんな兆しを見逃したくない思いが強いので、毎年書いてるような気もするけど、来年はもうちょっとブログを書いていこう。
最後に今年よく聴いたアルバムを。
underscores『fishmonger』
glaive『cypress grove』
折坂悠太『心理』
Porter Robinson『Nurture』
Clairo『Sling』
sic(boy)『vanitus』
4s4ki『Castle in Madness』
小袋成彬『Strides』
No Rome『It's All Smiles』
Arlo Parks『Collapsed in Sunbeams』
GRAPEVINE『新しい果実』
LANA DEL RAY『Chemitrails Over The Country Road』
CHAI『WINK』
LEX『LOGIC』
くるり『天才の愛』
ROTH BART BARON『無限のHAKU』
blackwinterwells『tracing paths』
kabanagu『泳ぐ真似』
mekakushe『光みたいにすすみたい』
Kitri『Kitrist II』
THE MILLENIUM PARADE『THE MILLENIUM PARADE』
Tempalay『ゴーストアルバム』
claud『Soft Spot』
girl in red『if i could make it go quiet』
Tohji『KUUGA』
D.A.N.『NO MOON』
Puma Blue『In Praise Of Shadows』
LIL SOFT TENNIS『Bedroom Rockstar Confused』
DUSTCELL『命の行方』
THE CHARM PARK『Bedroom Revelations』
来年もよろしくお願いします。